勝縁廟は、コロナ禍でも皆様に安心してお参りしていただけるよう、また、SDGsの考えに沿いながら、限りなく省エネで効率のよい空調換気設計がなされています。
具体的には、温かい空気は上に、冷たい空気は下に流れる空気の特性を利用したもので、4機のエアコンをはじめとした空調機器が配置されています。
そのうち2機は正面お内仏の上部に設置されており、これから夏場にかけて、冷気を吹き下ろすことを目的とした冷房用エアコンです。
そして、もう2機のエアコンは…
このように、入り口の左右にある台の中に隠れるように設置されています。これは簡易床暖房のためのもので、冬場に効果が期待されます。
基礎断熱がしっかり行われた床下の空間を温めることで、足元から暖かい空気が館内全体へと循環していく仕組みで、ランニングコストを抑えながら暖房効果が得られるようになっています。
床下暖房を効果的に動かすため、床下には基礎工事のときからしっかりと断熱処理が施されてきました。
また、通気窓の無い勝縁廟の換気の仕組みは、床下の吸気口から取り入れた空気が、内部に設置された送風ファンによって床下を巡り、各所に設置された床ガラリから通気することで館内に送られるようになっています。
そして、最終的には中央柱の頂上に設置されている排気口を通って空気の排出が行われます。
また、春や秋の中間期は、吸気口から取り入れられた自然の外気が、下から上に抜けていくことで、室内が快適に保たれるようになっています。
これらのはたらきによって、勝縁廟内は24時間 常に新鮮な空気が循環しています。
勝縁廟に入った瞬間に感じられる爽やかな香りは、このように考え抜かれた空調換気設計によるものなのです。
さて、勝縁廟はこのように床下から新鮮な空気を常時館内に送るわけですから、床下の状態はとても重要になってきます。
そのため、床下には空気清浄を目的として300kgの黒瀬産竹炭が設置されているのですが…。
その黒瀬産竹炭については、次回の更新にてご紹介いたします。