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徳正寺納骨堂 勝縁廟

屋根完成

いよいよ、屋根が葺かれていきます。

まず、まるく整形された野地板の上に、ルーフィング(いわゆる防水シート)が貼られていきました。

この、緑色のシートが下地まで雨水が浸透しないように守る重要な役割を果たします。
屋根全体に、丁寧に貼られていきます。

ここから、この屋根の形状に合わせて特殊な処理が行われていきました。

勝縁廟は、まっすぐな屋根と違い、四隅がゆるやかなカーブになっている丸い屋根のため、施工がとても難しく、その角をどのようにして形にしていくのか、打ち合わせの段階から、職人さんたちも悩んでおられました。
その上で、最善の方法を考えて、施工を進めてくださっています。

まず、ルーフィングの施工を終えた建物の四隅を補強するように、L字の鋼板が貼られていきます。

積み重ねてある鋼板をよくご覧ください。上にいくほど角度が広がっていくため、L字の角度が違うものが用意されています。
このように、四隅を厳重に仕上げていかれた理由は、この後、かなり難しい処置をその角でしないといけないからです。

こうした事前処置が終わって、本格的な屋根葺がはじまりました。

トラックで運ばれてきた材料をクレーンで屋根の上へ
ルーフィングと鋼板の間には、薄いポリエチレンフォームが施され、野地裏の断熱材と合わせて、より厳重な断熱効果が得られるようになりました。

中央から左右均等になるよう、きれいに鋼板が葺かれていったわけですが、問題となるのは角の収め方です。

以下の写真のように、角の部分で鋼板を巻き込むようにして収めていく方法がとられたのです。

銅板よりも硬いガルバリウム鋼板を重ねて叩き、折り曲げていくわけですから、とても大変な作業だったと思います。

屋根の工事が行われた期間は、ちょうど冷たい風が強く吹いたり、雪が降ったり、とても厳しい気候状況でした。大変な状況下で大変なお仕事をしてくださり、有難うございました。

こうして、まるい屋根が仕上がっていったのです。

そして最後に、室内の温まった空気を自然排出するための、排気口が設置されました。

屋根に乗っているのを見ると小さく見えますが、実際にはとても大きいものです。

この排気口は、温まった空気は上昇する特性を利用して、勝縁廟中央柱の間から、熱気を外に排出する大事な役割を担っています。
特に夏場における館内の暑気対策として、効果が期待されています。

館内で中央を見上げた状態。青く光っているところから、熱気が排出される仕組みになっています。(写真は、排気口が設置される前、屋根の上にブルーシートがかけられているときに撮影したものです。)

落慶法要を営み、皆様にひろくお披露目できる7月はちょうど夏です。
館内で、屋根の断熱性と自然排熱による涼やかさを感じていただけるのではないかと思います。

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