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本堂修復事業

徳正寺の須弥壇・宮殿

ご本尊が御安置される荘厳を宮殿(くうでん)といい、須弥壇(しゅみだん)の上に設置されています。

徳正寺の須弥壇・宮殿は、最近では平成7年の第十五世住職継職法要前に大掛かりな修復が行われていますが、それまでの由緒などは寺内一同、詳しく伝え聞いておりませんでした。

この度の本堂修復事業に際して、荘厳類を移動するにあたり、須弥壇に調度された年についての記載を発見しました。

安政七年三月とあります。

古い記録を紐解く上で、本堂に掲げられていた徳正寺什物寄進に関する木札には、第十一世住職が宮殿大修繕を行った記録と、万延元年に本尊須弥壇が調度されたとの記録が見られていました。

安政から万延への改元が1860年3月18日にされていることから、須弥壇が作られたのはちょうど元号の変わる過渡期であったのでしょう。木札に記載する際、元号を正式なものに整理し直したと考えられます。

明治終盤〜大正時代頃の徳正寺内陣写真も残っています。
ひょっとしたら、この頃に什物類の整理が行われ、木札にして記録し直されたのかもしれません。

明治35年の火災で大型の荘厳は失われたのかと思っていましたが、今回の発見により、当時の方々が運び出したことで須弥壇・宮殿も焼失を免れていたことが判明したのでした。


一連の事業を通して、什物類の由縁等も整理していけたらと思っております。

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