勝縁廟正面2本の柱は、八角形です。
八角形となったのには理由があります。
まず、ひとつに「中心に向かって気持ちが集まるような形」が、勝縁廟の設計コンセプトにあるからです。
それを表す最たる形は「円(まる)」ですが、正方形や八角形にも、気持ちを中心に集めるはたらきがあると言われています。
さらに、徳正寺の山号は『八王山』で、「八」という数字が込められていることから、玄関となる正面ポーチの柱は八角形に整えてもらうことになったのです。
しかし、言うは易し。実際にそれを形にしてもらうには、大工さんに随分と手間をかけていただくことになりました。
しかし、このままでは、時間の経過とともに檜の板が縮んだり、撓(たわ)んだりして、形が損なわれてしまう恐れがあります。
特に、日光や風雨に強く晒されることになる柱でもあるため、どのようにしたら長く大切に保持できるか、考える必要がありました。
大工さんが「玄関の柱は建物の顔だから」と、試行錯誤を続けてくださる様子を見ながら、どうしてもこの柱は綺麗に守っていきたいと思いました。
「問題になる、木の縮みや撓みが抑えられるような保護塗料があれば良いのに…」と、思いながらインターネット検索をした結果、ひとつの出会いがあったのです。
それが、tataraセラミック塗料です。
ホームページを見て、若坊守が問い合わせをしたところ、担当の方が強く共感してくださり、効果的な塗布の方法を開発者の方にも相談された上で、直接施工しに来てくださることになりました。
そして、施工の日取りも決まり、tatara-hanbai合同会社さんから、お二人が出張してくださいました。
ちなみに、施工していただいた翌日、早速雨が降りました。